072*『ナガサキ洋楽事始め』制作ノート#01*マジカル・コネクション
「今、幕末長崎にちなんだ音楽CDの制作を考えていて、
第1弾は月琴・明清樂をキーワードに、いろいろ検討中です。 第2弾を漫然とですが、長崎の教会音楽と考えています。 その辺りのことをご教授、またご協力いただけると幸いです。」 これは、2009年の9月に、僕が布袋厚さんに送ったメールの部分だ。 布袋さんは『長崎石物語』、『復元!江戸時代の長崎』(いずれも長崎文献社) という労作の著者で、自然史研究家で、 長崎火山の研究をライフワークとされている。 彼のHPに「ルネサンス音楽の部屋」というコンテンツがあった。 幕末長崎や古地図や教会音楽等、 当時、僕が関心のあったことと、とても接点があったし、 多少の面識もあったので、思い切ってメールしてみた。 その後、布袋さんとは、大浦お慶宅跡にあったと言われる、 地下室について検証しに旧西沢本店に行ったり、 高平町にある大浦家の墓の謎を調べたり、 居留地を散策したり、かなりお付き合いいただいた。 また、僕は教会音楽に関しては門外漢、素人なので、 布袋さんが参加されている混声合唱団、”プロ・ムジカ・アンティカ・ナガサキ”の 練習を、銀屋町教会で見学させていただいて、 サカラメンタ提要のことなど、いろいろとご教授いただいた。 メンバーの武立さんからは『洋楽事始』というLPをお借りした。 ルネサンス音楽の研究で知られる音楽学者、 皆川達夫さんの企画・監修による2枚組のレコードだ。 このレコードがすごい。 長崎・平戸に伝わるグレゴリオ聖歌やオラショが多数収録され、 宗教ではなく音楽の側面を掘りさげた深い解説付きの労作である。 ちなみに、今回『ナガサキ洋楽事始め』に収録した、 平戸・生月の歌オラショ「ぐるりよざ」(昭和28年録音)は、 このアルバムから音源をお借りしたものだ。 歴史と文化を音にしたようなアルバムを作りたいと思った。 しかも、あまり敷居の高いものではなく、 「科学と学習」のような、楽しんで学べるもの(笑) この頃、長崎検番の月琴奏者、琴音さんと出会った。 お会いして初めてわかったのだが、 彼女は、坂本龍馬の妻・お龍さんに月琴を教えた、 小曽根キクさんの一番弟子・中村キラさんの、なんとお孫さんで、 しかも僕の高校(長崎東)の後輩でもあった。 同じ頃に出会ったトロンボーン奏者の、”シバケン”こと柴田健一さんは、 なんと琴音さんとは高校の同級生、つまり僕の後輩にあたるのだが、 僕ら3人は3人とも当時面識がなく、はるか30年越しに出会ったことになる。 正確に言うと、僕とシバケンさんはどうも高校の文化祭で、 同じステージに立ったいたようだけど。別のバンドで。 かくして月琴をフューチャーし、琴音さんとシバケンさんも参加した 『龍馬のハナ唄』は、この年の12月からレコーディングに入り、 翌2010年、赤盤、青盤と2枚のCDをリリースすることになる。 教会音楽の方も、いわば2009年に種がまかれ、 2年の歳月を経て、今年11月に『ナガサキ洋楽事始め』として、 収穫されたわけであります。 次回は収録曲について綴ります。
by playtime-rock
| 2011-12-16 19:17
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