099*安岡力也さんのこと〜その2
前回までののあらすじは省略。一晩寝たら、僕の記憶ちがいに気づいた。
なんせ33年前の話しだもの。 「お前ら何やってんだよ?」というドスの効いた男の声がしてドアが開いた・・ のではなく、「お前ら何やってんだよ?」という背後からの声に振り向く間もなく、 首根っこ、というか襟の後ろ側をむんずと掴まれて、舗道にとめてあった車まで、 引きずられるように引っ張っていかれたのだ。 すごい力だ!ひとりで僕とジミーの二人いっしょに持っていかれた。 あ!と振り向いたら、僕らをショッピイていったのは、 力也さんではなく(残念でしたw)クロコのオーナー、ガンさんだった。 ここでガンさんのことにすこし触れよう。 以下をご参照ください。 <http://blog.livedoor.jp/en_meip695/archives/50215150.html> この他、寺内タケシとブルージーンズや、 ナベプロ時代の内田裕也さんのマネージャーでもあったそうだ。 僕には、青学の学食の料理長がガンさんと同郷だと言ってた。 だから僕ら青学生にはやさしかったのかもしれない。 若者の背中を押してくれたり、見守ってくれたりしていたような印象がある。 力也さんにとってガンさんは、兄貴筋みたいな人だったんじゃないかな。 ガンさんは、いつもクロコの入り口のところにいた。お店の顔だった。 ブッキングを担当する店長の西さんは、奥の事務所にいたと思う。 いつも穏やかだった西さんは、リリィの元夫だったとも聞いた。 おっと、寄り道はこのへんで日劇へ戻ろう。 ガンさん「お前らこんなとこで何やってんだよ?」 ボクら「はい、明日のタイガースをぜひ観たいと思って当日券買うのに並んでました」 ガ「馬鹿野郎!なんで俺に言わないんだよ!」 ボ「は、はい、すいません!」 ・・ってガンさんとウエスタンカーニバルの関係、僕らよく知らないし・・ ガ「よし!明日の○時ころ楽屋口まで来い!入れてやるから」 ボ「は、はい!ありがとうございます!」 ガ「おう、ところでコイツ、用心棒のジャンボっていうんだ。よろしくな!」 と、ガンさんの傍らに寄り添っていた長身の若者を紹介された。 ボ「あ、よろしくお願いします!!?」 このあと、いくつかヤバイ話しをガンさんから聞かされたが、 それはここでは書けない(笑) とにかく思わぬラッキーだった。タイガースを観れることは確約されたわけだし、 しかも終電で帰れる時間だったのだ。 当時、僕は小田急の梅が丘というところに住んでいた。 有楽町から梅が丘までタクシーに乗ろうもんなら・・ ただでさえ金がない学生だし、ネットカフェなんてない時代だし・・ あのへんにアマンドあったけかな? ま、もともと徹夜の覚悟だったんだけどね(笑) で、翌日行きました、日劇の楽屋口。 ボ「あのー、ガンさんに楽屋口に来いと言われて..」 クロコのGさんが迎えてくれた。 このGさん、クロコの従業員だったのか何なのか・・ とっても小柄で灰色のちじれっ毛で帽子被ってた。 名前を忘れたのか、元々知らなかったのかは思い出せない。 ただ、僕とジミーはいつも「あの爺さんがさ・・」と呼んでいたので。 とても年老いて見えたのだ。実際の年齢は知らないけど。 Gさん、クロコではいつも力也さんといっしょにだべってた。 あとから知ったけど、このGさん、昔ウッドベース弾いてたそうな。 「でも、あんだけ背が低いと、椅子の上に立たなきゃウッドベース弾けないよな」 なんてジミーと話したものだ。そんなジミーもすごい小柄だったけど(笑) (http://www.uchidayuya.com/special/rr_baka/yj.jpgより) G「ガンさんから聞いてるよ。とりあえず裕也さんに挨拶してこい!」 ボ「は?、はい!」 でも心の声は「えー!!!???聞いてないよ!」ってなかんじ(笑) ま、裕也さん関係というか、身内扱いで入れてもらったんだろうけど。 そこは芸能界ではなく、日本のロック界なんだよねー。 恐る恐る内田裕也さんの楽屋のドアをノックした。 返事がない。何度もノックしたがノー・リプライ。 「あのー、失礼します・・」とドアも開けてみたが、誰もいない。 ラッキー(笑)僕らはGさんのもとに戻り、 「裕也さん、いらっしゃりませんでした!」と報告した。 まるで士官と下士官だ(笑) G「あ、そう。じゃあそのへんから観てな」 僕らの心の声「えー!!!???」そこはいわゆる舞台袖。 ま、プレミアムチケットなわけだし、贅沢は言ってらんない。 ほぼ、スタッフ的な視点でのライブ観劇となった。 メインのバンドは、初日に一度観てるし、この日の目的はタイガースだから、 時々休憩がてら、大部屋というか、ロビーみたいな楽屋にも足を運んだ。 「あ、鮎川誠さんがいる」 トレンチコートをまとった長身の鮎川さんは、ほんと格好良かった! と、そのとき「ウッス!」という声とともに、 同じくトレンチコートをまとった長身のいかりや長介が現れた。 鮎川さんより背が高かったんじゃないかな。ほんと格好良かった! いかりやさんは、ドリフターズとしてではなく、 ドリフ以前に在籍した、カントリーシンガー”ジミー時田”バンドの ベーシストとして出演、演奏したのだ。 しかもギターは、なんと寺内タケシ! 「あ、スパイダースだ!」 初日にも観たけど、スパイダースは最高でした! マチャアキが、ジュンが、ムッシュが舞台からはけてきた。 まさかこの10年後、実際にお会いするとは夢にも・・・ そして沢田研二とオールウェイズの演奏が終わり、 ジュリーがはけてきた。 他の出演者の方々には申し訳ないけど、ジュリーは別格でした。 「TOKIO」を最後に井上隆之バンドと別れ、時代とシンクロしていったジュリー。 そのビジュアルも含め、若いというかオーラがすごかった。 当時33才。力也さんや他のGS仲間と、そう歳も変わらないのだが、 まるでちがった。現役のミュージシャンだった。 (http://blog.goo.ne.jp/fig196/e/8dd66a5908ddf5e4d8423eec957436eaより) ジュリーのあとは萩原健一とドンファンR&Rバンド。 ショーケンのオーラもすごかった! 僕の記憶では、ジュリーとショーケンが日替わりでトリだったと思うのだが、 ということは、次、タイガースがトリじゃん。 「どうするジミー?」僕は目で訴えた。 どうやらジミーも同じ事を考えていたようだ。 だいたい舞台袖でライブを観ている僕らのような大学生が、 そこにいようが、いまいが、誰も気に留めてはいないのだ。 せっかくだもの。タイガースは客席から観たいよね! 僕とジミーは、まるで忍びのように存在感を消し、 どこをどうやって行ったのかは忘れたが、スルスルと、 観客席の方へと姿をくらませた・・・つづく
by playtime-rock
| 2012-04-10 00:20
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