”月琴をフィーチャーした幕末のラウンジ・ミュージック”
今回制作したこのCD『龍馬のハナ唄 赤盤』というアルバムについて、随時お話ししていこうと思う。ブックレットでは書ききれなかった幕末長崎や龍馬のこととか、レコーディング中のよもやま話しとか・・・ 今日はその第1回。まずは全容を公開!ジャーン、こんなかんじです。 紙ジャケ見開きWポケット、ジャケと同じ図柄のCD盤、24Pオールカラーの豪華ブックレット、A3サイズの古地図「肥前長崎図」(部分)、以上のお得なセットで税込み¥2800! 赤盤というくらいだから、次に青盤が控えていることは察しのいいみなさんならもうおわかりだと思う。青盤の方も、もう7割方録音は終わっているのだが、いろいろ問題も出てきて、新たに加えたい曲も出てきて、いったいいつリリースできるんだろう?夏の終わりには出したいのだが・・・ とりあえずこの赤盤は6月16日リリース。長崎は5月下旬に先行発売!だ。”先行発売”という響きがなんか嬉しい(笑) アルバムの概要は長崎新聞<http://www.nagasaki-np.co.jp/kiji/20100425/06.shtml>や、opportunity knoxさんのブログ「nite owl diary」<http://opknox.exblog.jp/i2/>の4月30日付でも紹介していただいているので、ご覧あれ。 そもそも、何故月琴をフューチャーした音楽を?・・・から始めよう。 あれはかれこれ7年前、東京で暮らしていた僕の弟が、結婚を期に故郷・長崎へ帰り、長崎をテーマにしたオリジナルのセレクト・ショップを始めることになった。長崎県庁すぐそばの『たてまつる』<http://www5.cncm.ne.jp/~tatematsuru-net/>というお店。 写真はオリジナル手拭い“たてまてぬ”シリーズの「シーボルトの調べ」。僕は鍵盤カバーとして愛用している。以下HPより蘊蓄を抜粋(〜日本地図を持ちだそうとして発覚した「シーボルト事件」は有名です。地図には失敗しましたがシーボルトは面 白いものを持ち帰ることに成功しました。それは日本の旋律です。聴きおぼえた日本の歌を出島に持参したピアノで譜面 にしたのです。のちに、その旋律は「日本のメロディー」というタイトルで出版されました。シーボルトのピアノは、友人で萩藩の豪商 熊谷五右衛門にプレゼントされ、現在は山口県萩市の熊谷美術館に所蔵されています) そこで、僕も兄として協力すべく、いろいろと商売のアイディアを考えた。(余談だが、弟は東京で眼鏡店に勤める傍ら、仕事以外の時間をすべて費やして国会図書館に通い、『筒美京平の世界』という労作を著している) 話しは戻って、長崎→観光都市→異国情緒→歴史の町・・・ そういえば長崎にはなんで坂本龍馬の銅像があるんだろう?名前は知ってるけど、そもそもそ龍馬ってどんな人なんだろう?(少なくとも去年までは長崎の多くの人がそういう認識だったと思う)で、「竜馬がゆく」を手にした。無茶苦茶面白かった。が、やがて僕の興味は龍馬の師である勝海舟や、長崎の豪商・大浦お慶や小曽根家、そしてお龍が奏でた月琴へと、シフトしていった。 司馬遼太郎が描いた大浦お慶が、伊藤痴遊の著作や風聞を基にした創作であろうことは、かつての弟のように国会図書館に通いつめるうちにわかってきたが・・数少ない史実から垣間見えるお慶の波乱に満ちた人生を、ラジオ・ドラマや朗読CDにできないものか。BGMには月琴を使って・・・と思い始めた。 テーマ曲はすぐに決まった。京平さんの傑作「くれないホテル/西田佐知子」だ。この曲を月琴でやりたい!。ぴったりだと思うんだけどな。そして月琴探しが始まった・・・つづきは#2で。 #
by playtime-rock
| 2010-05-04 02:52
以前も一度おじゃましたことがあるのだが、長崎に”アナログ・レコードを聴く会”みたいな会があって、今日が発足2周年ということで、2回目の参加をさせていただいた。レコードだけではなく、もちろんCDもOK。元和風居酒屋だったところを有志の方々で借りていて、月に何度か会を開かれているそうだ。店内は内装を少し入れ、椅子とテーブルは新たに持ち込まれたとか。壁には、洋楽好きな輩が集まるロックなお店”ぴえろ”のマスター、スマッシュ・Uさんが寄贈というか、差し入れたマーヴィン・ゲイとキャロル・キングのばかでかいポスターが貼られ、音楽好きのやんちゃなおじさんたちに微笑みかけている。
フード・ドリンクは基本的には持ち込み。近くにスーパーあるし、会が用意してくださったりもする。 カウンターの奥、本来ならグラスやボトルが並ぶ棚には、みなさんが持ち寄ったレコードがビッシリと詰まっている。 おおよその時代は網羅されているが、60年代ブリティッシュ系と70年代のアメリカン・ロックは特に充実している。 リクエストするもよし、自分でふらっとカウンターの中に入りセレクトしてかけるもよし、今日買ってきたばかりのCDの封を開け、かけるもまたよし。 音量が適正なのも嬉しい。ちょうどスタジオのスモールで聴いているようなかんじ。家で聴いてたら、「ちょっとうるさいんじゃないのぉ?」と家族から文句言われるくらいの、スピーカーが良く鳴るくらいの大きさ。だけどクラブみたいにばかでかくはないから、繊細な音もニュアンスも聴こえるし、会話も楽しめる。 このおしゃべりがまた素敵だ。音楽以外の話は、ほとんどと言っていいほどしない。上司がどうしたの、経済がどうだの、誰が惚れた腫れただの、そういう無粋な話は一切しない。 「音楽好きのお客さんって、目が輝いてるんだよね。なんか幸せそう。それに、お客さん同士、音楽の話しで盛り上がるから、すっごい楽。だって、こっちから話しかけなくてもいいもん(笑)」前述した”ぴえろ”で働く女の子がそう言ってた。そう、野球選手の話やプラモデルの話に夢中な、男子のようなもんなんです。いくつになっても(笑)とってもピュアなこの空間、JRAという名前の会だそうだが、何の略称かはよく知らない。 More ハースの話は続きで・・・ #
by playtime-rock
| 2010-05-03 02:51
昨年の夏、長門芳郎さんが同級生のお墓参りで長崎に帰って来られた。西浜の町のカフェでお会いした。久しぶりだった。しかも長崎でお会いするのは初めてだった。ひとしきり積もる話しも終わった頃、「来年、ハース連れて日本まわりたいんだよね。長崎でもやりたいんだけど・・・」と長門さんが切り出した。まさか本当に来ようとは・・・
時はさかのぼり1979年、沢田研二の「カサブランカ・ダンディ」がヒットしていた(ちなみに僕はこのシングル盤を、受験で東京滞在中の宿があった、根津のパチンコ屋でゲット)大学に進学した僕は、“青山ベターデイズ”という軽音楽サークルに入部した。長崎では手に入らなかったレコードや、先輩の小西康陽さん(exピチカート・ファイヴ)や宮田繁男さん(exオリジナル・ラヴ)、同級の渡辺亨君(音楽ライター)達に勧められたレコードを、それこそ仕送りのほとんどをつぎ込んで買いまくった。三度の飯よりレコードだった(笑)アパートの部屋に積まれたカラーボックスが、日に日にレコードで埋まっていくのを眺めるのが嬉しかった。 大学のすぐ近くに“パイド・パイパー・ハウス”というレコード屋さんがあって、授業の合間にふらっと立ち寄ると、よく前記の3人の誰かと遭遇したものだ。ウッディなこじんまりしたお店で、以前は店内でコーヒーも飲めたという。国内外の通なミュージシャンの御用達のような存在で、エルヴィス・コステロや世良公則さんなんかと隣あわせで、エサ箱を漁ったような記憶もある(笑) 店主の長門芳郎さんの名前は、いろんなマニアックな音楽雑誌やレコードのライナー・ノーツでよく目にしていた。僕のような生半可な知識で質問でもしようもんなら、馬鹿にされるんじゃないだろうか?という畏怖の念をも抱いていたくらいだ(笑)ところがさにあらず。実際はとてもジェントリーで、丁寧にいろいろ教えていただいた。彼が長崎出身だということを知って、ある日レジでお釣りを受け取る際に思い切って切り出した。 「あのぉ・・・僕長崎出身なんですけど・・・」「へぇ、そうなんだ。僕もだよ」 まさかその数年後、ピチカート・ファイヴのマネージャーを長門さんにやっていただくことになろうとは、夢にも思わなかった・・・このつづきはまた別な日に。 当時、ハース・マルティネスの「ハース・フロム・アース」は“幻の名盤”と言われていた。たまに中古で見かけても高価だった。ジャケットから音が想像できなかった。YouTubeなんてもちろんないし、CDすらなかった時代だ・・・ More 続きはこちらで #
by playtime-rock
| 2010-04-30 04:27
入院以来約1年半ぶりに連絡をとった友人や知人がいる。ましてや長崎は30年振りになるわけで、「久しぶり!」とか「ご無沙汰してます!」とか言ったり言われたりする機会がやたらと多い今日この頃。
初めましての方もいらっしゃるけど、ブログへのコメントをいただいたみなさん、ありがとうございます!本当にお久しぶりです!(笑) 大学生の時に『チェット・アトキンス&レス・ポール』というレコードを買って、A面1曲目のこの「it’s been a long time/久し振りだね」というスタンダードを知った・・というよりメロディは知っていたから、タイトルと曲が一致したのだ。超テクニックなプレイの掛け合いは、まさに“スゴイ”の一言なんだけど、曲中に入るチェットとレスの会話の掛け合い同様、とっても楽しく幸せな気分になれるアルバムだ。 「このカントリー・ピッキングなギターが好きだ。このクリーンな音色が好きだ。オーヴァー・ドライヴなんざ買わずにいよう、金もないし・・・」と確信したと同時に、「やっぱ無理だわ・・・」とギタリストへの道を諦めたきっかけとなったアルバムでもある(笑) そういえば入院中に、劇場公開を見逃していた映画「レス・ポールの伝説」をDVDで観た。映画の冒頭、キース・リチャーズの「彼はオレたちに最高の“オモチャ”を与えてくれた」というセリフがイカしている。とても面白い映画で、音楽好きなら文句なく楽しめる。特に僕が興味を惹かれたのは、ギター製作はもちろんだが、レスの機材やテクノロジーへの貢献と冒険で、これにはビンク・クロスビーなんかも関わってくるのだけど・・・ 実は病気を患う前から取りかかっていた仕事がある。それはあるアーティストについての本の執筆で、そのアーティストを中心にアメリカン・ポップスを俯瞰するという、とても素敵な企画からスタートしたのだが・・・ 思いの外、というより予想通り難航している。僕が知りたい事の多くは、主に海外の資料に頼らざるを得なくて、その収集と解読に時間がかかるのだ。出版社のYさんにはご迷惑のかけっぱなしで、本当に申し訳ありません!が、ツイッターという新しい情報収集ツール?も普及し、だいぶ風通しがよくなる予感がしています。新ネタもいくつか手に入りそうだし・・・Yさん、もうしばらくお待ちください! そうやって資料収集に忙殺されながらも、自分の中でのバランスを保つため、音源製作にとりかかったのが昨年の10月頃。これもなんやかんやで半年くらいかかっているが、ようやく目処がつきそうだ。タイトルは「龍馬のハナ唄 赤盤」 概要についてはこちらの新聞記事<http://www.nagasaki-np.co.jp/kiji/20100425/06.shtml>をご覧ください。 先日、この記事を目にされた中学校の時の担任で、音楽の先生でもあったS先生からお電話をいただいた。中学生当時、歌唱や器楽演奏はそこそこできたつもりだが、楽典の方はからっきしだめだった。そんな昔話し等で盛り上がり、1時間近くもおしゃべりしてしまった。「今、会っても、もうわからんかもね(笑)」来月あたりお会いできそうだ。it’s been a long time・・・先生、お久しぶりです。 #
by playtime-rock
| 2010-04-30 02:03
高浪慶太郎です。たいへんご無沙汰しておりましたが、みなさんお元気でしたでしょうか?私事で恐縮ですが、今日は僕の個人的な再スタートにあたり、諸々ご報告とお知らせをさせていただきます。
えー・・・おととしの11月に、”急性骨髄性白血病”と宣告され、その翌日に横浜の病院に入院。昨年3月に故郷・長崎の病院に転院。同年5月に無事退院して、現在は治療と療養を続けながら、高校卒業以来、約30年ぶりにここ長崎で暮らしています。病名が病名だけに、当初はどう現実と向き合えばいいのかがわからず茫然自失でした。とりあえずは身を潜め治療に専念し、元気になった暁には何事もなかったように復帰しようと思いました。関係者のみなさん、応援していただいたみなさんには、多大なるご迷惑とご心配をおかけしまして、本当に申し訳ありませんでしたが、心身共に疲弊していたため、自分にとって一番楽な選択肢をとらせていただきました。 こうしてカミング・アウトできるようになるまで、約1年半かかりましたが、 どっこい僕は生きてます。尚、当時のパートナーであった西村郁代さんとは、昨年3月より公私共に別々の道を歩むことになり、アルコライムは事実上解散しております。ご報告が遅れましたこと、心よりお詫び申し上げます。 18歳で故郷を離れた僕の長崎弁は、未だ当時の高校生の長崎弁なようで、たまに戸惑ったり戸惑わせたりもしてますが、考えてみれば今までの人生の半分以上が東京暮らしだったわけで・・・こうして、ある種、異邦人・エトランゼとして、生まれた街で生きていくのも、わるくはないなぁ・・・と思い始めている今日この頃です。まぁ、たまには江戸参府もしますけど(笑) この春、ささやかながら“プレイタイム・ロック”というプライヴェート・レーベル&オフィスを始めました。音源制作等、音楽まわりのこと、いろいろとやっていきます。どうかお見知り置きのほど、よろしくお願い致します。(写真はちょっと前のものだけど、オフィスの床に落ちていた輪ゴムが、何度も踏まれているうちにねじれて、ト音記号に形を変えた瞬間を偶然発見した時のもの・・尾っぽの向きが逆だけど・・) 元来ズボラで面倒くさがりの僕ですが、リハビリ期間中に貯め込んだネタも結構あるので、このブログに小出しにアップしていこうと思ってます。が、絵日記はもちろん始業式前日にまとめ書きするタイプ。あらかじめ随時更新のブログであることを、お断りしておきます(笑)では、次回をお楽しみに! PS. 思うところあって、 高浪敬太郎→高浪慶太郎に戻しました。 こちらも、お見知り置きのほどを。 #
by playtime-rock
| 2010-04-28 00:00
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